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zoom RSS 母の最期と今の医療の現実(『女って大変。』より)

<<   作成日時 : 2012/02/14 22:38   >>

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この本について、もう一言。
『女って大変。』の中にあった、自分の親を看取った女医さんの寄稿。
我が家の母の最期をめぐる状況と符合するところが多くて、ああ、と思った。

「臓器中心主義というか、専門科別の分業があきれるほど進んでいた。
高齢化が進み一つしか病気を抱えていない病人など例外的なのに、
どの医師も自分の専門科以外の情報は頭に入れようとしない。
自分の守備範囲の病気に関する症状や検査数値にしか興味がなく、
自分の使い慣れた薬についてしか、きちんと服用していたかを聞こうとしない」(看取りをめぐって)

母が検査入院中の病院で脳梗塞を起こして急死した時、担当の医師に病態説明を受けた。
その際、死因の脳幹梗塞とは別に、今となっては確定診断をする検査をすることはないけれども、
内臓に癌様のものがあったと思われる生化学的数値が出ていたこと、
乳房にも癌と思われるかなりはっきりしたしこりがあったことを聞かされた。

私は納得がいかなかった。
母は、ずっと認知症で脳神経内科の医者にかかっていて、毎月一度通院、生化学的検査も受けていた。
食事が取れなくなって激やせしたのだが、医者は認知症薬の副作用だろうといって、薬の増減をした。
それでも全くといって変化がないので、父と私で何か手がないのかと詰め寄った結果
「じゃあ検査入院でも」ということになり、翌日入院、その数日後の急変だった。
そういえば、脳神経科の医師は、状態の変化を我々に問診し、検査データをパソコンで見るだけで、
激ヤセしていた母の体に触れたことはなかった。
背もたれのない診察椅子に座っているのが辛いから、ロビーのソファーにいていいかという母に
(母の診察なのに)それを許可することもあった。
やっと見つけた、認知症をわかってくれる医者ではあったのだが…
(もっとも、父が睡眠時無呼吸症の治療で通ってる大病院も、指一本触れない、と言っていた。
今時は、そういうもの、なのだろうか)
それに、母の入浴は、私だけでなく、訪問看護師さんもしてくれていたのだが、しこりは発見されなかった。

結果的に、食べられなかったのは、消化器に病変があったせい、なのかもしれなかったのに…

検査入院の主治医に、ずっと医者に掛かっていながらなぜ毎月の検査の数値では発見できなかったのか、
身体を洗っていた私も、プロの看護師の入浴介助でも、しこりは判らなかったものなのか、尋ねた。

「徹底的に内視鏡検査等をしなければ、なかなか発見できるものではないのです。
まして、プロでないお嬢さんがご自分をお責めになることはありません。
実際私も、消化器内科の専門なのに、父を消化器の癌で亡くしました。
ただ…他の先生のことをどうこう言うつもりはありませんが、
数値でなく、その方全体を見るのが医療だと、私は思います」

検査入院の数日をお世話になっただけなのだが、
その病院(と、そこが紹介してくれた葬儀屋さん)のおかげで、とても落ち着いてゆっくりとした送りをすることができた。
病院と先生と葬儀屋さんにはとても感謝している。

あの無策な脳神経科の医師の最大の功績は、検査入院にその病院を紹介してくれたことだと、父とも話している。



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