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zoom RSS 勘九郎ちゃん(五世)そっくり

<<   作成日時 : 2012/12/10 00:30   >>

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これを書くといろんなことがバレるのですが、
私があかんぼの頃の写真(1歳くらいは白黒)を貼ったアルバムに去年亡くなった母が
「まあ、勘九郎ちゃんそっくり。誰が女の子とおもいましょうや」と、キャプションをつけていました。
それも、一ヶ所ならず随所に。

生まれた時は生えていた髪の毛が、いつの間にか何だかすっかりおハゲーノになり、
連れて歩くと、どんなにピンク色の服とかを着せていても「まあ、可愛い坊や」と言われたと
昔母が話してくれましたっけ。
いまなら(それでもちょっと昔か)マルコメくんとか言われるんでしょうが
その当時(年齢差からいってもうあちらは幼児ではなかったと思いますが)少年俳優であった
「勘九郎ちゃんソックリ」は男の子に間違えた人のせめてものフォローだったのでしょう(笑)

そんな訳で、物心つく前から?気になる人でありました。
私にとってはどうしても勘三郎さんでなく「勘九郎ちゃん」でないと、実感がわきません。

自分が芝居を志すようになってからは、さらに好きになりました。
この人は、芝居が好きで、お客様を喜ばせることが好きで、というのが
芝居にも日頃の言動にも、すごく出ていたから。
そして、その人の人間そのもののチャーミングさ、可愛らしさが、役になればなるほどにじみ出ていたから。

家に生まれなければ死ぬまで並び大名、家に生まれれば初舞台から主役、という歌舞伎のシステムは
正直好きではなく
(私も若い女優時代二世ブームがあって、そういう人にドラマの役とか横からさらわれてましたから)
歌舞伎自体もそんなに数見ている訳ではないのですが、勘九郎は大好きでした。

作品として一番印象に残っているのは、「末摘花」
光源氏が女形の坂東玉三郎で、もう絵から抜け出てきたように美しく、
立役も多い勘九郎が、でこっぱちで赤鼻のブサイク姫、の逆転配役。
でも、決してコミカルに演じるのでなく、心根の可愛さがにじみ出る。
それから、姫のおつきが福助(この人も私は児太郎=コタちゃんと呼ぶほうがしっくりくる)とてもいい。
そして、源氏のおつきの惟光が勘太郎(現勘九郎)若くて初々しい。
もう、私にとって堪えられないキャスト。
確か、チケットが取れず三階の一幕見で並んで見に行ったのでした。
(ちょっとググってみたら、2001年の12月だったようです。はあ〜もうそんなに…)

あと、息子二人との三人連獅子も見て、その勘三郎はまさに子獅子を谷底に蹴落とす勢い、
まだお前たちには負けるわきゃないぞ、出来るもんならついてきてみよとばかり、
なんの容赦もなく毛振りをぶんぶん。
勘太郎七之助がそれに食い下がる。
合わせようというのでなく、それぞれが力の限りで毛の回旋が揃っていくのが、震えが来るほどでした。
素晴らしかった…

そして、もう一つ。
私がこの人がすごくチャーミングな人だなあと感じたのは、太地喜和子さんの伝記での彼。
今手元に本がないので記憶違いがあるかもしれないですが、
出会いは太地さんはもう30を超え、勘九郎さんは19。
その位年の差があるのに、何年か経って、太地さんが芝居を少し型で処理し始めたと思った時に
勘九郎さんは「そんな、型に寄りかかった芝居をしてどうする。生きた人間を演じなければ」と意見をした、と。
歌舞伎といえば、「型のもの」の最たるもののように思うけれど、
彼の中で、それだけではないのだろう。
亡くなってからよく流れているビデオで「型があるから型破りができる」と言っているし。
あるいは、どうしても型を基にしなければならない世界にいる自分にくらべ、自由な世界にいるはずの太地さんに
羨ましさと、それを活かしていない歯がゆさを感じたのかもしれない。
とにかく、型の世界にいる彼からそのセリフが出たということに、私はすごく感動しました。
太地さんはたくさんの男の人と浮名を流した人だけれども、
本当に特別だった人は、三國連太郎さんと勘九郎さんだけだと多くの人は言うし、わたしもそう思う。

なんだかとりとめもなくなったけれど。
とてもとても、チャーミングな人だった。
一緒にお芝居をしてみたい、お芝居のことをいつまでも語り合ってみたい、そんな夢を見てしまう人だった。
談志さん、森光子さん、勘三郎さんは、同時代に生きたこと、その芸を見られたことを誇りに思える人だ。
皆鬼籍に入ってしまいました。
特に、歌舞伎役者なんて、これから、60代70代、どんな華を見せてくれるのか、これからが本息だったのに。
悲しいです。

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