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zoom RSS 「舟を編む」(三浦しをん)←おすすめ!

<<   作成日時 : 2011/11/09 12:05   >>

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硬軟取り混ぜていろいろ本読んでますが、
この本が今年の185冊目だったりしますが、
こ〜んな面白いの、久しぶり。
私にとっては、間違いなく今年のベストワン候補の一つ。

舟を編む
光文社
三浦 しをん

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ただなー、
もしかしたら、読む人を選ぶかもしれない。
私には、もう激しくツボ、でした。
読みながらケラケラ笑って、オットに不審な目で見られたくらい(笑)

で、すぐに「あの人に薦めよう!」って思いついた人がいた。
バイト先の同僚で、同じ「字読み族・辞書引き族」のS嬢。
割と活字を読むことに抵抗のない図書館員という職場仲間の中でも、我々は少々病的活字中毒で、
ちょっと「ん?」と思う言葉に当たると、とりあえず広辞苑に手が伸び、
誰かが旅行のお土産で地方の銘菓を買ってきてくれると、必ずそのリーフレットをまず手に取る。
「SさんとCさん(私)、読むと思ってとっときました」と皆に笑われる。
この間私が『「愛くるしい」という言葉をなぜ「愛苦しい」と書いてはいけないか』(機会があれば後述)について
文献を引いてある程度調べがついて、発見のあまりのうれしさに「ねえ、聞いて聞いて」といった時も、
唯一、「へぇ…」以上のはかばかしい返事をくれたお嬢さんだ(笑)
…そんな人なら、絶対に喜んでくれるんだけど…

小説は辞書編集部が舞台。
私にとって「ワカルわかる」と激しく頷いてしまう、言葉フェチさんたちが登場人物に多い。

私は大学の専門が「国語学」という、まさに言葉の重箱の隅突付き的学問だったのだが、
その授業で「活字を、辞書をむやみに信じるな」というのがあって、今でも印象に残っている。
辞書の記述って「右=左の反対側」と書いてあるから「左」を引くと「右の反対側」って書いてあるようなのもあるのだ。
でも、普通の人って、辞書に書いてあるのは「正しいこと」で、
「辞書ごとに内容が違う」なんて、あまり考えてみないものだ。
(ちょっと昔、それを突付いてベストセラーになった『新解さんの謎』という本があった。あれも私ツボだった)

この主人公たちはそれをどこまでも追い詰める。
出版社内に一人「辞書族」とは違う登場人物がいるのだが、それがまた素晴らしい。
私はよく「人にはそれぞれ向き不向きがある」と言う(主に自分が手先不器用なのの言い訳)のだが、
この彼が、実に「辞書作りに向かない」のを活かして「辞書作りになくてはならない人である」のが魅力的だ。
彼の存在で、この本は「何かに賭ける人」全てに面白い本になるような気がしている。
さすが、三浦しをん、巧い。
「俺ってこんなヤツじゃないのに」と照れながら他人のために頑張っちゃう人を書くと、かっこよすぎる。
(「多田便利軒」の二人も、私はすごくかっこいいと思った。世間的にはどうかわからないけど)

あと、ネタバレになるからあまり書けないけど、
一件地味な本書の装丁も、実は意味がある。
表紙色、タイトルの箔押し、表紙裏表紙の挿絵、見返しの色、花布(はなぎれ)の色まで。
その記述に来たとき、思わず本を閉じて、眺め回してしまった。

まあ、私個人の要望としては、もう少し華やかな部分
「言葉を仕事にするのに恋の言葉は上手く伝わらない」なんてとこをもうちょっと膨らまして欲しかった気はするけれども、
「これ一事に賭ける情熱」を描くには、この方がいいのかもしれない。

それにしても、この本の初出が「CLASSY.」という女性誌なのは、ちょっと驚き。
うーん。私が危惧するより、この世界、意外と万人ウケなのか?
ぜひぜひ、読んでみてください感想が聞きたい。

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